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 優れたデザインに優れた性能。かつての日本車には、それが当たり前だったようだ。小型車からSUVに至るまで、多くのハイパフォーマンスカーが日本の道路を走っていた。『スカイラインGT-R』『ランサーエボリューション』『インプレッサWRX STI』『ステージア・260RS』といった伝説的な車が生まれた。

 しかし、このリストにはそれらの車は登場しない。なぜなら、「90年代に、アメリカで入手することができた日本のスポーツカー」のランキングだからだ。当時、日本の最高のスポーツカーに我々が乗ることはできなかった、というのは否定できない。だが、アメリカでも販売されたセリカ・GT-FOURやシビック・タイプRといった車以外にも、注目すべきスポーツカーは当時存在していたのだ。その時代は短く、まるで恐竜のように日本のスポーツカーは絶滅してしまったが、我々はこの素晴らしい車たちを決して忘れないだろう。

10位 日産 240SX


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 155馬力、FR駆動の日本のスポーツカー。そう聞けばマツダのMX-5 Miataを思い浮かべるだろうか? 答えは日産の240SXだ。240SXは、当時としては比較的軽量な1225kgのコンパクトクーペで、駆動方式はFR。2.4リッターの4気筒自然吸気エンジンは155馬力を発生した。この数字は物足りないものに思えるかもしれないが、90年代初頭のコンパクトカーの多くが240SXほどのパワーはなかったし、またFR駆動でもなかった。

 軽快かつ素直な操縦性を持ち、240SXは「安い」スポーツカーを求める層に支持された。この車が持つ小型軽量、FR駆動といった特徴が、20年後の今となっても、ドリフト愛好家のお気に入りの1台となっている理由だ。

9位 三菱 エクリプス


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 ランサーエボリューション、インプレッサWRX STIがアメリカに来る前にも、日本には4DWのターボスポーツカーが存在していた。それがエクリプスだ。240SXと同様に、エクリプスには二つの世代が当時存在した。

 第一世代のエクリプスは他社にも供給され『イーグル タロン』『プリマス レーザー』として販売された。最も強力なバージョンは、2リッター4気筒・ターボチャージャーのエンジンを装備し、195馬力を発生した。駆動方式はFF、または4DWのモデルを選ぶことができた。

 第二世代のエクリプスはタロンとしてのみ販売され、より曲線的なデザインとするためにボディの改良が行われた。最上位グレードは210馬力のエンジンを搭載し、第一世代と同様に駆動方式をFF、または4DWから選ぶことができた。

8位 アキュラ インテグラ・タイプR


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 インテグラ・タイプRは、FF駆動のスポーツカーとしては最も理想的な存在かもしれない。史上最速のFF車というわけではないが、クールで最高に魅力的なFF車を選ぶならこの車だろう。1.8リッターの4気筒エンジンは8400rpmまで回転し、195馬力を発生する。リッターあたりのパワーはよろめくほどだ。

 タイプRではパフォーマンスを優先するために、ベースモデルのインテグラからいくつかの装備が省かれ、またボディの補強も行われている。エアコン・遮音材は外され、ヘリカルLSDが追加された。フロントガラスはより薄く、ボディフレームの剛性強化、サスペンションの改良が行われた。インテグラ・タイプRは公道を走るレーシングカーと呼ぶべき存在だろう。

7位 マツダ MX-5 Miata(ロードスター)


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 MX-5に説明は必要だろうか? イギリスの伝統的オープンカーが持つ「運転する楽しさ」に加え、日本車の快適性と信頼性が加わった車、それがMX-5だ。1.6リッター4気筒エンジンは116馬力を発生し、車体重量は950kgに満たない。

 90年代末までに、MX-5には特別な仕様車が追加され、パワーも増大していった。99年の10周年エディションでは、1.8リッター140馬力エンジン、6速MT、LSD、ビルシュタインのショックアブソーバーが装備された。

6位 三菱 3000GT(GTO)


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 この車は当時の最先端技術の塊だ。4WD、四輪操舵、二つのエキゾーストシステム、アクティブエアロシステム、アクティブサスペンションといった装備が採用された。
 90年代を通じ、3000GTは3度のモデルチェンジを経験したが、基本的なデザインは変わっていない。第一世代では、3リッターV6ターボエンジンが296馬力、414Nmのトルクを発生する。90年代中頃までには320馬力、427Nmのトルクへと強化された。このエンジンパワーは、日本のライバル車の多くを上回るものだった。

 3000GTの最大の欠点は重さだ。オプションをフル装備した状態では、重量は1725kgに達する。現代の基準で考えればそれほどの重さではないが、当時としてはあまりにも「太った」車だった。

5位 トヨタ MR2


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 90年のモデルチェンジによって、MR2はよりセクシーに、スポーティに生まれ変わった。車体重量は増えたが、同時にエンジンも強化された。2.2リッター4気筒エンジンは130馬力を発生し、1180kgの車体を動かすには十分なパワーだ。よりパフォーマンスを望むドライバーには、2リッターターボの200馬力エンジンも用意された。

 「ピーキーな」挙動の車として知られるMR2だが、ターボ仕様車の加速力は高い。0-60mph(97km/h)加速は約6秒だ。NSXやフェラーリを欲しくてもそんな余裕はない、そんなドライバーにはMR2が最良の選択となっただろう。

4位 日産 300ZX(フェアレディZ)


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 多くの日本のスポーツカーと同様、90年代に300ZXは進歩を遂げる。より大きく、セクシーで、パワフルになった300ZX・Z32は、3リッターV6ターボエンジンを搭載し、300馬力、383Nmのトルクを発生した。この数字は3000GTと比べればやや見劣りするかもしれないが、車体重量は1498kgと3000GTより軽量だった。

 300ZXは自然吸気エンジンのモデルも販売された。ボディ形状はハードトップ、タルガトップ、コンバーチブルを選ぶことができた。変わった点では、通常の2シーターに加え、2+2シート仕様も用意されていた。

 剛性の高いシャーシ、スポーツ仕様のサスペンション、アクティブリアステアリングシステムによって、300ZXは当時、日本のスポーツカーの中でもトップクラスの速さを誇る車だった。

3位 マツダ RX-7


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 北米では数年しか販売されていないが、三世代目のRX-7は特別な存在だろう。1.3リッターのロータリーエンジンにシーケンシャルツインターボを装備し、255馬力、294Nmのトルクを生みだす。

 当時のハイパワースポーツカーに比べれば物足りない数字だが、RX-7は非常に軽量だった。車体重量はわずか1271kgだ。自由自在に曲がるコーナリング性能、ロータリーエンジンの機敏なレスポンス、理想的な前後重量配分の車体は、この車を3位につけるだけの理由となるだろう。

 高価な価格設定、燃費の悪さ、劣悪な排ガス性能が死の宣告となり、アメリカの市場からすぐに消えていったのは、不幸なことだ。

2位 アキュラ NSX


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 MX-5同様、NSXについても説明は不要だろう。NSXは「日常で使えるスーパーカー」という新しい概念を生みだした車だ。第一世代のモデルは3リッターV6自然吸気エンジンを搭載し、270馬力(AT仕様では252馬力)を発生する。

 第二世代では3.2リッターV6・290馬力へと強化されたが、RX-7、MR2同様に、単純なエンジンパワーではこの車の性能は語れない。車体の反応の良さ、完璧な操縦性能、車と人との一体感。他の車にはない多くの魅力をNSXは持っていた。

1位 トヨタ スープラ


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 NSXとスープラ、どちらが1位に相応しいのか。それを決めるのは、コインを投げて表と裏を当てるようなものだろう。この車の心臓部には320馬力、427Nmのトルクを引きだすハイパワーエンジンが装着される。3000GTと同等のエンジン出力だが、重量は3000GTよりも軽く300ZXに近い。直線スピードという点では間違いなく、90年代最高のマシーンだ。

 53:47の前後重量配分、高いグリップ力を発揮するタイヤ、よくチューニングされたサスペンションによって、スープラはコーナーを軽々と駆け抜けていった。96年モデルではターボ仕様がAT車にしかなかったこと、そしてその数年後の98年にアメリカの市場から撤退してしまったことは残念だが、スープラより速いスポーツカーは当時存在しなかっただろう。


Source: Top 10 Japanese Sports Cars of the ’90s
All photos by AutoGuide.com