米国に唯一存在する三菱の製造拠点・イリノイ州ノーマル工場の閉鎖が決まった。米市場からの撤退も既に発表されている。ほんの十数年前、三菱は「エクリプス」「ギャラン」「アウトランダー」といった人気車種を抱え、ノーマル工場で年に20万台以上の車両を生産していた。

 同工場の設立は1988年にまで遡る。当時の協業相手・クライスラーとともに合弁自動車製造会社「ダイアモンド・スター・モータース」を立ち上げ、三菱、クライスラー両社の生産拠点として、ノーマル工場は産声をあげた。1993年に、クライスラーがダイアモンド・スター・モータースの株式を三菱へ売却したあとは、三菱の一部門として編入されることとなる。

 三菱のアメリカでの市場シェアは低く、長年赤字が続いていた。それでも、2014年には7年ぶりの営業黒字を達成し、今後の業績も上向きになるだろうと期待されていた。それだけに撤退の衝撃は大きい。

 アメリカではどんな三菱車が販売され、人気を集めたのか。我々「The Cheat Sheet」は、同社の偉大な名車を8台選出した。三菱への門出のはなむけとしたい。


ランサー 1600GSR


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 ランサーという名前は三菱にとって特別なものだ。1973年に発売された高性能グレード・1600GSRは、サザンクロスラリーを4度、サファリラリーを2度制した歴史的ラリーカーである。アメリカでは、クライスラーのブランドであるダッジより「コルト」として、ランサーは販売された。


スタリオン


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 1982年、三菱はアメリカ市場に本格参入し、それまでのクライスラーブランドとしてだけではなく、自社ブランドとしても販売することとなった。スタリオンはその記念すべき第一陣だ。クライスラーにも供給され、ダッジ、プリムスの両ブランドから「コンクエスト」の名でも販売されている。

 当時人気を博していたFRスポーツカー、日産「フェアレディZ」、マツダ「RX-7」、トヨタ「スープラ」の対抗車種としてスタリオンは開発された。1986年には、最高出力191PS、最大トルク317Nmへと強化された上級グレード「ESR」を追加している。当時としては強力な性能を誇る車だった。


エクリプス


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 スタリオンを置き換える高性能スポーツカーとして、エクリプスは1989年に発売された。製造はノーマル工場で行われ、クライスラーよりプリムス「レーザー」、イーグル「タロン」としても販売されている。

 最上級グレード「GSX」では最高出力198PSを発揮し、駆動方式に4WDを採用している。性能の高さが話題となり、北米では若年層を中心に絶大な人気を獲得した。その後は三菱の定番車種となり、2012年に廃止となるまでに4世代のエクリプスが生産された。


ギャラン VR-4


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 1987年に発売された第4世代のギャランは、同年の日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれたスポーツセダンの傑作だ。最高出力198PSのターボエンジンに4DWシステムを搭載し、公道を走るラリーカーの異名をとった。ただし、残念ながらアメリカでの売上はホンダ「アコード」、トヨタ「カムリ」には及んでいない。

 三菱のラリーカーとしてのベース車両は、1992年にギャランからランサーへと変更された。ラリー参戦を前提とした高性能4DWセダンという特徴は、ランサーエボリューションへと受け継がれることとなる。


3000GT VR-4


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 1990年に発売された3000GTは、三菱のみならず、日本のスポーツカーの歴史にも名を残す存在だ。日本ではGTOの名で知られる。クライスラーにOEM供給され、デザインを大幅に変更したダッジ「ステルス」としても販売された。

 最上級グレードのVR-4は最高出力304PSのツインターボエンジンを搭載し、駆動システムに4DWを採用。コーナリング性能を抜きにすれば、アキュラのスーパーカー「NSX」よりも速く、価格は半額以下だった。これほど過小評価された車は他にないだろう。


ディアマンテ


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 ディアマンテは1990年に発売され、同年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。アメリカでは1992年に発売された。当時の米高級セダン市場ではアキュラ「レジェンド」が高い評価を得ており、ディアマンテはその対抗馬として人気を集めた。BMWを思わせるスポーティな外観に最新装備を多数採用し、高級車に相応しい風格と性能を備えていた。


モンテロ


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 モンテロは1982年に発売された本格SUV車だ。世界的にはパジェロの名で著名である。当時のSUVは、市街地走行を考慮せず、オフロード性能を第一に設計された車が主流だった。当時の人気車種・いすゞ「トゥルーパー」、スズキ「サムライ」、ジープ「CJ-7」がその代表である。

 三菱の誇る高性能4WDシステムを搭載したモンテロは、卓越した悪路走破性を備え、なおかつ価格も抑えられていたため、世界中で人気の存在となった。世界一過酷なモータースポーツと称される「パリ・ダカールラリー」に参戦し、目覚ましい活躍を遂げたことでも知られる。

 アメリカでは販売されなかったが、ラリー参戦を前提とした高性能モデル「パジェロエボリューション」も開発された。


ランサーエボリューションX


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 正直に言えば、このリストは全てランサーエボリューションで埋めるべきだったかもしれない。ランサーをベースにラリーカーとしての性能を徹底的に追求したのがエボリューションだ。初代機は1992年に発売され、90年台のラリー界を席巻した、三菱の看板車種である。

 10世代目のXは、2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力295PSを発生する。駆動方式は当然4WDだ。悪路、サーキットを問わず、卓越した運動性能を発揮する。今世代限りで開発中止となるのは、残念という他はない。


 三菱の象徴たるエボリューションの廃止、北米唯一の拠点・ノーマル工場の閉鎖は、一つの時代が終わったことを否応なく感じさせる。だが、数ある自動車メーカーのなかでも特に異彩を放った三菱の名を、我々は決して忘れないだろう。


Source & All photos by
8 of the Best Cars Mitsubishi Ever Built


ランエボもパジェロも廃止しちゃったら、アウトランダー専属調教師になっちゃうんですかねぇ

たくやゎランエヴォーなら3と4が好きです(典型的イニD厨)
かっこよさで言えばXが一番ですが

お前(WRCとパリダカで活躍する三菱)のことが好きだったんだよ!
もどして